初渡仏当時のフランス語レベルを振り返る

初めてフランスに来た2007年夏。

大学の交換留学で語学を勉強するための渡仏でした。

当時は怖いもの知らずな性格も手伝って、フランス語があまり出来ない状態でフランス留学生活をスタート。

なんて無謀な挑戦をしたんだろうと今では思いますが、意外と語学力がなくても乗り切れる場面が多かったかもしれません。

そこで今回は、初渡仏時の私のフランス語レベルと、会話が成り立たなかった時に私が取った行動についてご紹介します。

大学の第二外国語がフランス語

いわゆる必修の授業で、選ばなければならなかった第二外国語。

スペイン語かフランス語で悩み、何となくイメージが良かったのでフランス語を選択しました。

流されるままに学習していたため、成績も気にせず「単位取得のため」の学習。

その後フランスへの交換留学制度の存在を知り、無謀にも挑戦、まさかの合格!

そこから慌ててフランス語の勉強に本腰を入れることになりました。当時大学三年。

いま思うと最初の二年間は本当にもったいないことをしたと思います。

付け焼刃のフランス語学習

留学が確定してからは必死にフランス語学習。

とはいえ留学資金を貯めるためのアルバイトもがっつり入れて忙しく、結局じっくり時間が取れたのは出発直前、付け焼刃のフランス語学習となりました。

フランスへ向かう飛行機の中で「avoir」や「être」の現在形の活用を復習していた…と言ったらどれだけ初歩的なレベルだったかがわかるでしょう。

言えるセリフは簡単な挨拶と自分の名前と年齢、日本人です、これなに?くらいでした。

いま思うと、あまり危機感を持っていなかった自分の度胸にもびっくりです。

英語くらい通じるだろう、何とかなるだろう…そんな能天気さがあったからこそ来れたフランス留学でした。

今なら笑える仏生活開始直後のエピソード

当然の如く、フランス語はほぼ聞き取れない、話せない。

笑えるエピソードは山ほどありますが、いくつかご紹介しましょう。

・電子辞書片手に買い物、見た目は現代的二宮金次郎

スーパー、パッと見ればどんな製品かわかりそうじゃないですか?

それが意外にもわからなかったのです。私の予測能力が低すぎるのか?

でも洗濯洗剤なのか柔軟剤なのか、食器用洗剤であっているのか、これはどこの掃除をする液体なのか…なんとなく予想はつくけど間違っていたら嫌なので毎回辞書で確認。

怪しい外国人でした。滞在時間も長いしずっと電子辞書とにらめっこをしながら買い物をしていましたから。

猫背で目も悪いので、まるで二宮金次郎のようだったと某友人には言われました。

ちなみに、フランスの洗剤にはLe chatル・シャ、猫と言う名前の洗濯洗剤があるのですが、ご丁寧に猫のイラストまでついていて最初は「まさかこれは猫専用の洗濯洗剤なのか…?国が違うと文化が違うと言うけれど、フランスには愛猫家が多いのか?」と無駄に色々考えてしまいました。

こんな風に思ってしまった人、きっと私だけではないはず。

・授業中に他の日本人に助けを求め注意される

留学先はオルレアン大学のフランス語学校。

最初にクラス分けテストがあり私はA2/B1クラスへと振り分けられました。

そして授業はフランス人の先生がフランス語で進めるというもの。

テスト結果に合ったクラス分けだし大丈夫だろうと思っていたのですが、実際に授業を受けてみると全くわからない。

日本人が何人か同じクラスに居たのでこっそり聞いたりして乗り切っていたのですが、その様子を見て呆れた先生が一言。

「同じ国の人に質問ばかりしないで私の話を聞いて」

もちろん、何を言っているかわからなかったので友人に助け舟を求めようと顔を向けた瞬間、先生に「ちょっとちょっと!」みたいな感じで止められました。

周りはみんな笑っていましたが、私は訳が分からず。

後で友人に聞いたところ、上記のようなことを言われていたと知って納得しました。

まずは語学力よりコミュニケーション力を

よくこのレベルで生活が出来たな…と今となっては思うのですが、どんなに語学力がなくてもコミュニケーションを取ろうとする姿勢やジェスチャーなどで伝えようとすることで意外と何とかなるシーンも多いと感じました。

もちろん、一番良いのはちゃんと語学力を付けて現地で様々な体験をすることでしょう。

しかし私のように最低限の語学力しかない場合でも、コミュニケーション力である程度はカバー出来るようです。

私がよく実行し効果があったのは以下の方法です。

・電子辞書を常に携帯し、伝えたい単語を仏人に見せる

・ジェスチャー

・紙とペンを常備しイラストで説明(絵が下手なので伝わる率低かった…)

恥ずかしがらずに辞書を指さしながら伝えたり、ジェスチャーで乗り切ったり…なりふり構わず必死だったからこそできたことかもしれません。

これから海外に出る予定の方、今まさに海外で奮闘中で語学力に自信がないという方は、机に向かって行う勉強も大事ですが「コミュニケーションを取ろうとすること」にも目を向けてみてはいかがですか。