意外と知らない!?フランスでデモ活動をする時に必要な手続きとルール

黄色いベスト集団の話題が尽きないフランス。

暴徒化して危険なエリアもあるため「デモ=危険」という認識をお持ちの方もいらっしゃることでしょう。

でも実はフランスでデモを行う際には、手続きやルールがあるということをご存知ですか?

ちゃんとしたデモ隊のみなさまはちゃーんとこのルールに従って活動を行っています。

意外と知られていない、デモ活動を行う際の手続きやルールについて解説していきましょう。

デモ活動を行う旨を届け出る義務

勝手に集まってやっている…というイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、公道を使いますので届け出は必須です。

一般にはデモ活動の15日前から届け出が可能、最低でも3日前までには市役所や県庁などに知らせます。

パリの場合は少なくとも2か月前には申請が必要(例外アリ:緊急性が認められた場合)で、マラソンやコンサートなど特別な設備が必要な場合や人が大勢押し寄せる可能性がある場合には3か月前に届けなければなりません。

 

届け出の内容とは?

こちらもパリとそれ以外とでルールが若干異なるようですね。

一般的には以下の内容を明記した書類を提出する必要があります。

・デモを行うアソシエーションの名前、住所、電話番号、代表者の氏名と住所

・デモ活動の実行責任者の氏名と住所、連絡先(電話番号、メールアドレス)

・デモの目的、場所、開始、終了の時刻、行進など移動する場合にはそのルート、予想参加人数、セキュリティ対策をどのように行うのか、デモの特徴(横断幕、音響設備の利用など)

コチラに雛形があるので気になる方はどうぞ。

場所はコチラのサイトから最寄りの担当機関を検索できます(パリの場合も同様です)。

 

パリの場合は以下の内容を届け出ます。

・デモ主催者の情報(個人または法人)とデモの詳細(目的、日時、場所、予想参加者人数など)

・設備設置などがある場合はこのほかに仕様書を5部とパリ市の許可書が必要です。

パリの場合、届け出場所は警察署です。

詳しく知りたい方はコチラのパリ警察署のサイトをご覧ください(仏語)。

 

行政側のチェックするポイント

親切にも、「こういうポイントをチェックしています」というページもありました。

・セキュリティ対策が取られているか(消防との連携、必要に応じて救護室の準備等)

・設置する設備等がセキュリティに関する法律を満たしているか

・責任問題が発生する場合に、アソシエーション(デモ主催者)が必要な保険に加入しているか

・アソシエーションが必要であればデモ後に公道などを元通りに戻す対策を立てているか

実際にどこまで細かく審査をしているのかはわかりませんが、個人的には結構ゆるいんじゃないかなと感じています。

 

実は許可が下りないこともある!

フランスに居るとデモ隊と遭遇することは珍しくありませんし、ちょっとめちゃくちゃな時もあります。

そのため「デモの開催を却下することもあるなんて!」と驚かされました。

最近の「Gilets jaunesジレ・ジョーヌ(黄色いベスト運動)」でも本来ならChamp-de-Marsシャン・ド・マルスで許可されていたもの。

実際には許可の下りなかったChamps Elyséeシャンゼリゼでのデモとなり、暴徒化した人々もいましたね。

 

違反した場合にはどうなる?

実はデモ活動、ルールに従わずに行うと罰せられます!

具体的には

・デモを行う届け出を出さなかった

・禁止されたデモを行った

・届け出の内容が不十分だったり不正確な情報が入っていた

などが挙げられています。

 

今回の黄色いベスト運動で大勢の逮捕者が出ただけではなく、けが人が続出、死者も出ています。

また高校生の一斉検挙の様子がショッキングに映し出されるなど、連日報道に事欠きません。

大きなデモとはあまり関係のない地方でも、道路閉鎖などで小売業や大型スーパーの売り上げが激減、クリスマス商戦の稼ぎ時に大打撃。

明日12月8日土曜日にもデモが行われる予定ですので、その動向から目が離せません。

ここで黄色いベスト運動の私の意見を発するのは避けさせて頂きますが、どうかけが人や死者が出ませんように、破壊行為などがありませんように、とだけ述べておきましょう。

 

参考サイト:https://www.service-public.fr/associations/vosdroits/F21899