苦労話、というと少し大げさですが、フランス留学当時は大変なこともたくさんありました。
何せ言葉も文化も違う国。
いま考えれば「防げるはずだった」苦労やトラブルも多々ありました。
留学に関する記事が気になる方は以下をチェックしてください。
今日はその留学中に大変だったことのお話です。
留学に行けなそうなので貯めたお金を使いまくったアホ学生
留学希望を提出してからはアルバイトを増やし、とにかくお金を貯めることに時間を費やしていました。
ところが、合否が出る時期を過ぎても連絡が来ない…
「駄目だったんだろう。」と一人で結論付けてしまったのが良くなかったのです。
少し落ち込んでいたこともあり、貯めたお金で遊んでまた新たな気持ちで頑張ろう!とディズニーに行ったりUSJに行ったり…
頑張って貯めたお金を散財し、またアルバイトも頑張らなきゃな、と思っていた矢先のことです。
まさかの留学に行けるという通知を受け、ものすごく嬉しい反面、アホなことをしてしまった…と後悔。
元々アホなところは多々あるのですが、この時ばかりは自分に呆れ果ててしまいました。
そして留学直前まで再びせっせとアルバイトをしながら生活費を節約する日々に。
航空券も、1年オープンのものが必須だったのですが直行便は結構な高額だったため、マレーシアで乗り換えの経由便で移動しました。
ホストファミリーにリネン貸してと言えなかったチキン
学生寮に入る予定だった私。
最初の数日は学生寮が夏休み中のため、ホストファミリーにお世話になりました。
留学のしおりには「ホストファミリー宅からリネン類を借りるか、購入してから寮に来ること」と明記されていました。
ところが、フランス語がままならない私。
しかもものすごく良くしてくれた家庭だったので、このうえ何かを借りる、一緒に買い物に連れて行ってもらうのはなんだか申し訳ない…と感じていました。
そのため何も準備せず、いざ学生寮へ。
当然のことながらリネン類は一切なし。
9月頭だったので朝晩の冷え込みが厳しい時期で、洋服を枕に、バスタオルを敷いてトレンチコートを布団代わりにして数日過ごしました。
朝方は冷え込みも厳しく、何度も夜中に目を覚ます結果に。
2日後にはフランス人の友人に頼み、一緒にリネン類の買い物に付き合ってもらいました。
当時、周りの日本人にも「え?なんでリネン類借りなかったの!?」とびっくりされるほど。
何となく申し訳なくてリネン類を借りれなかった、買い出しも行けなかった、というのはどうやら私だけだったようです。
クレジットカードが使えない!?
海外に来るときはクレジットカードの暗証番号を確認しておくように!!!!
これは旅慣れたみなさんが口を酸っぱくして教えて下さっていますね。
当然私も大学の留学担当や先輩から言われていましたし、準備万端だと「思って」いました。
いざ現地に到着して手元の現金も底をつき、さてお金をおろそう!としたところ、
「暗証番号が間違っています」の表示。
3回間違えてしまえばカードは使用不可になる。焦りました。
でもこの番号で間違いないはず!と思った私はもう一度試しました。ダメでした。
もう絶望的でした。
仕方なく母親に電話し、暗証番号を確認してもらうことに。
当時は折りたたみ携帯電話が主流だった時代、学校にある公衆電話で親に電話をし状況説明、そして暗証番号の確認の依頼をしました。
本来なら暗証番号を教えてはいけない決まりになっていたそうですが、母親が事情を説明して頼み込んでくれたお陰でその後無事に使えるように。
なぜ間違えて覚えていたのか、本当に謎です。というかアホです。
実はこの「カードでお金が下せない!」という状況だったとき、一緒にいたのがホストファミリーの息子くんだったため、その後心配して学生寮の私のアパートに50ユーロの入った封筒を滑り込ませてくれた、という涙なしでは語れないエピソードがあります。
翌日食べるものもない状況で、他の日本人たちに借りるのもためらっていた私にとっては、本当に有難い有難い優しさでした。
洗濯物は手洗い、クスクスでお腹を満たす
カードでお金が下ろせたと言っても、それだけでは生活が厳しく最終的には親にこちらの銀行にお金を振り込んでもらうことになりました。
もう情けなさ過ぎて、無計画すぎてがっかりしたのを覚えています。
決して「超金欠状態」というわけではありませんでしたが、やはり周りのフランス人や日本人たちとたまの外食くらいはしたい、ホストファミリー宅に遊びに行く時の手土産代は削りたくないという思いから節約生活がスタート。
節約と言っても学生の寮生活ですから、交際費以外で抑えられるのは食費と洗濯くらい。
留学していた10か月間、洗濯物は全て手洗いをしました。
最後の1か月は再びホストファミリーにお世話になったので、厳密にいうと9か月でしょうか。
ありとあらゆるものを手洗いしました。ジーパンや厚手のセーター類、シーツなどももちろん。
時には布と手の摩擦で皮膚がこすれ、ポチポチと出血している状態が長く続いたこともあります。
寮の洗濯機を使えば済む話なのですが、確か1回2ユーロで、そのお金さえもが惜しかったのです。
乾かすときには、寮の部屋にあったセントラルヒーティングのパネルにのせておけばしっかり脱水されていなくても比較的早く乾燥ができ、そのうえ加湿器の役割も果たしてくれたので冬場は大活躍。
そして普段の食事も本当は毎回調理してフランスらしい食材を食べたいと思っていたものの背に腹は代えられません。
1箱1ユーロほどのクスクスの箱を買い、熱湯と塩、鷹の爪を入れて食べるという超質素ごはんが基本でした。
とは言え2週間に1回はホストファミリーの家に週末滞在していたのでしっかりご飯は食べれていましたし、時々外食もしていたので特に痩せるということもありませんでした。
むしろ太ったくらいです。
ちなみにズボラさも手伝って、ドライヤーすら購入せず10か月間髪の毛は自然乾燥させていました。
冬の朝シャワー後の通学なんかは髪の毛が凍るなんてエピソードも。
…みなさんドン引きしないでください。
これらの出来事、いま思うとすべて避けられたことばかりですね。
若気の至りというか、考えが甘かったと言えばそれまでですが、この経験があったからこそ後のフランス移住も苦にならなかったのだと感じます。
自分のアホさ加減にはいまだに驚かされますが、フランス語習得に限らず留学では様々なことを学ぶことが出来ました。
そしてこれらの色々な笑えるエピソードは今でも私の鉄板ネタの一つとして、フランス人たちの雑談の際に大活躍をしてくれています。