心と胃袋を強く持て!フランスでのクリスマスの過ごし方

もうすぐやってくるクリスマス。

日本では「カップルのための日」ですが、こちらフランスでは「家族で過ごす日」。

一年で一番盛り上がるイベントでもあるため、みなさん気合いが入っています!!!!

そんなフランスのクリスマス、一般的な流れと、心と胃袋を強く持つ必要があると私が感じた理由、お伝えします。

家族・親族が大集合

家族で盛大にお祝いするのがクリスマス。

日本のようにカップルでロマンチックに…なんていうイメージをお持ちの方はびっくりするかもしれません。

そうですね、親戚一同が集まる、という点から日本のお正月に近いものを感じる人もいることでしょう。

家庭によって参加者人数など規模も様々ですが、おじいちゃんおばあちゃんの家に子どもたち&孫が集まる、という印象です。

ここでちょっと疑問に思えてくるのは

「メインイベントはクリスマスイブの24日のディナー?それとも25日のお昼?」

基本的にはFête de Noëlフェット・ドゥ・ノエルつまりクリスマスパーティーはクリスマスイヴのディナーのこと。

Réveillon de Noëlレヴェイヨン・ドゥ・ノエルと呼ばれますが、単にRéveillonだけだと大晦日を指すのが一般的です。

イヴのディナーから本格的に行う家庭も多いようですが、本来は25日のお昼に親戚一同が集まるパーティーの方がメインなんだそう。

家庭によっては遠方の親戚が集まり始める頃から毎回手の込んだ食事を食べ続けるという、胃袋耐久レースになることも…。

ドレスアップするのが基本

え?家族のイベントでしょ?ドレスアップするの?と思うかもしれません。

どの家庭でも…とまでは言いませんが、ドレスアップする方が多いのでは?

その証拠に街の服屋さんなんかではパーティー用の洋服が所狭しと並ぶショーウインドウがほとんど。

初めて義家族や友人とクリスマスを過ごす、という方は事前にどんな服を着て行ったら良いか確認することをおすすめします。

直接聞きにくい…という場合にはさりげなく前年の写真などを見せてもらうのもアリです。

プレゼントは基本、全員分用意

誰が参加するか事前チェック、忘れずに!!!

初めて会う人でも、好みがわからなくても、とりあえず何かを贈る…

箱のチョコレートやちょっとした小物などでもいいんです。

先ほど言ったように、家庭によってはものすごい人数集まってパーティーをやるので「ちょっとしたプレゼント」も積もれば結構な量と金額に…。

その代わり、自分もたくさんのプレゼントに囲まれてクリスマスを過ごせるので幸せ気分もアップしちゃうかも!?

ちなみに、このクリスマスプレゼントを購入するためにカードローンを利用する人も一定数いるようですよ。

アペロから始まりフルコース

待ちに待ったディナーの時間。

でもその前に家族で団らんするアペロが始まります。

シャンパンで乾杯する場合が多く、この時点で様々な種類の美味しそうなおつまみたちが勢ぞろい。

ここで食欲に負けて食べ過ぎたり、お酒を飲みすぎないようにするのが楽しくノエルを過ごす鍵です!!!

この後にフルコースが待ち受けているのですから…。

ちなみに伝統的な家庭だと、フルコースは以下の流れです。

定番メニューと一緒に見ていきましょう。

冷たい前菜Entrée froideアントレ・フロワド

スモークサーモンや生牡蠣、ホタテといった海鮮のほかにフォアグラのテリーヌなども良く食べられます。

サーモンのタルタルやエビとアボカドディップなどをヴェリーヌと呼ばれる小さなガラスの器に盛り付けるのも定番ですね。

温かい前菜Entrée chaudeアントレ・ショード

フォアグラのポワレ、ホタテのソテー、魚介類のカソレット(Cassolette:魚介類のグラタンのようなもの)…

ここでもやはりフォアグラや魚介類が人気です。

魚料理Poissonポワッソン

タラやあんこう、スズキをチョイスする家庭は多いようですね。

舌平目のムニエルや鯛、そして前菜としても人気の鮭やホタテも。

Trou-normandトゥルー・ノルマン

こちらはカルヴァドスなどの蒸留酒がシャーベットとともに提供されます。

消化を助けて次の肉料理に備えるためです。

そう、食事はまだまだ続きます。

肉料理Viande

クリスマスの伝統的な肉料理と言えば、Chaponシャポン、去勢した雄鶏。

またジビエ料理も人気が高く、鹿やイノシシが良く出されます。

この他に、Boudin blancブーダン・ブラン(肉の白い部分と牛乳、パン、卵、小麦粉などを混ぜた腸詰)もクリスマスの伝統的なメイン料理です。

チーズFromage

Plateau de fromageプラトー・ドゥ・フロマージュ、チーズの盛り合わせとも呼ばれますね。

クリスマスですから普段のパーティーよりもたくさんの種類が並びます。

デザートDessert

みなさんもご存知、Bûche de Noëlブッシュ・ド・ノエル。

どのケーキ屋さんに行ってもこの時期はこのケーキメインで並びます。

ただこのブッシュ・ド・ノエルに使われているバタークリームがずっしり胃に来るんです…

そのため敢えて軽めにフルーツ系のデザートを用意する方も増えているようですね。

コーヒー&お菓子Café et ses mignardises

ここまでくればもう安心!?

コーヒーで一息…と思ったらここでも小さなつまめるお菓子たちが登場。

チョコレートやミニタルトが出てくることも。

食べなければいけない、というわけではないんですが、目の前にあるとつい手が伸びてしまいます。

食後酒Digestif

消化を助けるためのディジェスティフ。

カルヴァドスやコニャック、アルマニャックのほかにリモンチェッロなど、みなさんお好みでどうぞ。

食後酒は飲まない人も多いですので、無理する必要はありません。

 

私が「胃を強く持て!」と言った理由、わかっていただけましたよね?

この量…しかも常にワインとともに提供されます。

全部食べられる気がしない!という方もいるでしょう。

少な目に盛ってもらう、アペロはほぼ食べないなど調整しながらデザートまで食べるのが一番なのですが、どうしても食べられそうもない時には無理せず正直に伝えましょう。

具合を悪くしてしまうよりは手を付けない料理があった方がベターです。

お開きになるのは深夜または朝方

小さな子がいる場合は子どもたちの寝る前にサンタさんが現れプレゼントを手渡ししてくれたり、大人たちは日付が変わる頃にプレゼント交換をしたり。

普段なかなか会うことのない人たちとの話に花を咲かせ、とにかく食べる、飲む、しゃべるの繰り返し、それがクリスマスです。

お開きになるのはだいたい朝方というパターンが多いのでは?

興味のない話題だったとしても相槌をうったり意見を述べたりと神経を使いながらのクリスマスになることも。

フランス語がまだあまりわからない…という方はなおさらストレスもたまりますよね。

そして当然ながら慣れない量の料理とお酒で胃も心もぐったりしてしまった…と言うケースも良く耳にします。

しかし、大切なのは無理をしすぎないこと!

深夜頃になると年配の方は早めに休みに行くこともあるので、体力的につらい時にはこのタイミングで退席するのがいいかもしれません。

(逆に朝方まで元気な年配の方もたくさんいらっしゃいます!)

タイミングが見つからないという方はパートナーや友人に助け舟を求めることもお忘れなく。

 

 

フランスのクリスマスについてご紹介しましたがいかがでしたか。

日本とは似ても似つかないクリスマスの過ごし方、びっくりされた方もいるかもしれませんね。

12月24日をフランスで過ごされる方は、心と胃袋を強く持って、楽しいクリスマスディナーにしましょう!

 

参考:http://cladelcroix.mondoblog.org/repas-noel-france/

https://www.marieclaire.fr/,le-trou-normand,20250,703.asp