在仏日本人にとっては大きなテーマの一つ、仕事探し。
特に結婚などでフランスに住むことになった人にとって、時に仕事探しのハードルはエッフェル塔のごとく高いものに感じることがあります。
パリなど中心都市では求人も多く職種も多岐に渡るため地方よりも見つかりやすいことでしょう。
しかし地方都市では日本や日本語に関する仕事は大変少ないですし、求人数も都市部とは比べ物になりません。
そんな地方での仕事探しをする上での大切なことを3つ、個人的経験からご紹介します。
コネがあると強い
フランス、コネ社会です。
特に地方では人口が少ない分、人との繋がりが多いほど仕事は探しやすいです。
「あそのこ会社では増員を検討しているらしい」「○○さんが辞めるから代わりの人を探してるらしいよ」…
まだ公になっていない求人情報を知人伝いで耳にすることも多々あります。
企業の有力者との強力な繋がりを持てたなら優先的に採用してもらえることなどもあるようで…それって最高ですね!(私はまだありません…)
因みに「どうやってコネ作ったら良いかわからん!」という声も聞こえてきそうですが、実はとても簡単。
友人知人を増やす、以上。
パートナーの友人や親戚関係からスタートするのが一番やりやすい方法でしょう。
積極的に話かける、自分がどんな人物か伝える、就職先を探していることを知らせる。
これだけです。
街中でも良く会う人(店員等含む)と仲良くなったりすることで、立ち話から仕事の話に繋がる…なんてことも珍しくありません。
(3回くらい経験あり。妊娠出産前後と重なり受けませんでしたが…タイミング悪っ)
気になるアソシエーションなどに参加するのも良いでしょう。
友人知人を増やすことが後々の仕事探しに役立ちます。
大事なポイントは「そういえばこの人仕事探してるって言ってたな…」と自分のことを思い出して貰えるような人脈を作ること。
仕事の話は身近にあったりするものです。
「あそこの会社、人を探していたよ。たぶん君の経歴ならいけるんじゃないかな?」
「友人が○○の経歴がある人を探していたから、君のことを話しておいたよ。」
…
身内間でしか公開されていない求人情報などを得られる、それだけでも価値はあります。
更に知り合い伝いで「ちょうど良い人がいるよ!」なんて自分のことを紹介してもらえたなら就職率もぐんと上がりそうです。
またこのほかにも、上級者はSNSなどを使って自分が求職していることをアピールしたり、SNS上で面識のない様々な人と連絡を取り合い人脈を広げるという方法を用いているようです。
私の場合ですが、パートナー&義両親が市役所に知人が多く、最初のアプローチはここからでした。
暫くヴァカテールVacataireという市役所の臨時職員として色んな部署を転々と短期~超短期で経験、その後市役所関連機関の欠員の穴埋めと言う形でフルタイムCDDで働く機会を得ました。
この臨時職員の時に色々な部署を転々として人脈を作っておいたことも、CDDで働いていた時に色んな場面で役立ちました。
気になる企業には自分からアプローチ
日本だったら求人を見る→募集をかけている企業に履歴書を送る、と言う流れですね。
フランスでも基本的にはこの流れですが、自分から気になる企業に志望動機書と履歴書(CV)を送る人も少なくありません。
この求職方法をCandidature spontanéeカンディダチュール・スポンタネと言います。
自分から送り付けるなんて…ちょっと大胆すぎやしないか!?と感じるかもしれませんね。
フランス人でもそう感じている人はいます。
しかしCandidature spontanéeには以下のようなメリットがあります。
・通常の採用過程と異なり求人を出さないため競争率が下がる
・欠員が出ると求人を出す前に連絡を貰えることがある
そのうえ、自分で興味のある会社を探して連絡を取るので、志望動機等も書きやすいですよね。
出ている求人の中から消去法で応募するよりも、自分に合った仕事を見つけやすいかもしれません。
自分の働きたいエリア・分野の企業を検索するという手間はかかるものの、専門分野がある方ややりたい仕事がはっきりしている人はこの方法が適していると言えるのではないでしょうか。
私の周辺には以外にもこのCandidature spontanéeで仕事を得た人がたくさんいます。
最初は別の仕事に就いていたけれど、Candidature spontanéeを出したところが本命だったから転職した、という人も。
自分からアプローチすることはやる気があることの証明でもありますので、気になる企業がある方はチャレンジする価値ありです。
仕事探しはすごく時間がかかることを忘れない
いくら履歴書を送っても返事すらもらえない、面接までこぎつけてもなかなか仕事が決まらない…
心くじけそうになることも多いですよね。
私もその一人でした。
しかし決して諦めてはいけません。
地方での仕事探しは時間がかかることの方が多いのですから。
勿論、相性の良い企業や求人に出会いサクッと就職を決める方もいるでしょう。
どうしても自分と比べてしまい「あぁなんで私は駄目なんだろうか…」と落ち込む機会も増えますよね。
でも、繰り返します。諦めないでください。
ネイティブだって相当な時間をかけて仕事探しをしている人、たくさんいるんです。
日本だったらこんなに長く探している人ってあまりいないよな…なんて思ったりもしますよね。
フランスの、ましてや地方ではそれが普通ですから、諦めず、気負わず、就活を続けていきましょう。
ただし、もう精神的にキツイ…となった場合にはサクッと仕事探しをお休みする、もしくは辞めるという決断をする勇気も必要です。
仕事が無ければ生活が苦しいということもあるかもしれません。
しかし体が言うことを聞かなくなってしまったら元も子もありません。
働くためには体が資本ですから、一度立て直してから再度チャレンジする方が効率も良いことでしょう。
残念ながらパリやリヨンなど大都市の場合は地方と事情も違うでしょうし、参考にならないかもしれませんね。すみません。
でもコネは働く上でも「ないよりはあった方が良い」ですし、自分から履歴書を送る手法は大都市でも多くの人が取り入れていると思います。
就活が長引いていても、諦めかけた頃に仕事が決まった!なんて話も聞きますよね。
今フランスで職を探しているという方、これから仕事を探すことになるかもしれないという方は上記3つのことを意識してみてください。
また「こんな方法が効果的だった!」「仕事探しの時のこんな情報が欲しい」などご意見ご感想体験談、ぜひぜひお寄せ下さい。