フランスで生活していくためには、良くも悪くも現地に適応していく必要がありますね。
私自身もフランスに来てから周囲の影響を大きく受けた一人。
フランスの良いところばかりを吸収出来ればそれが一番良いのでしょうが、あまり真似をしなくてもよいようなところまでフランス人化してしまい、周囲の在仏日本人に迷惑をかけたり一時帰国の時にびっくりされたり…
馴染むのは決して悪いことではないはずなのに、日本人のフランス人化を嘆く声は後を絶ちません。
具体的にはどんな風にフランス人化していくのか、一例を挙げながらみていきます。
時間にルーズになる
遅刻魔のわたくしとしては耳の痛いお話です。。
日本では基本、時間厳守、5分~10分前行動が基本ですね。
それが時間にルーズなフランス人たちに囲まれて過ごしていると、少しずつ少しずつ、約束の時間に遅れる癖がついてしまう人がいます。
日本だったらもっと神経を使って時間を守るよう努力するであろう人が、「フランスだから大丈夫でしょー♪」とのんびり集合してしまったり。
相手も同じようなのんびり集合な人だったら良いのですが、日仏限らず時間をきっちり守るタイプの人だと待たせてしまうことになりますね。
10分前行動とまでは言わないまでも、ちゃんと時間通りに集まれるよう気遣いはすべき。
身近なフランス人が遅刻魔ばかりという方は、遅刻魔さんとの待ち合わせはゆっくり行き、それ以外の場合は普通に集合すればよいだけの話。
その時会う人の習慣に合わせて使い分けれるとベターですね。
対応が適当になる
その場しのぎの回答で終わる、同僚や上司に聞きに行くこともない…
日本スタンダードの丁寧な対応をしてくれるかと思いきや、すっかりフランスに馴染んでしまっている方々…
それは彼らの選択の一つで悪いことでもないはずなのですが、日本人を見ると丁寧親切・痒い所に手が届くクオリティの対応を求めてしまいがち。
そんな状況で、フランス社会にすっかり馴染んだ日本人に会うと、びっくりしてしまうこともありますね。
最初はいろいろと対応をしていて同僚にとがめられたからやらなくなった、という人もいるでしょう。
誰か一人の接客態度が良すぎたり、仕事が速すぎると他の同僚もそうするように上司から言われてしまう可能性がありますからね。
しかも親切のつもりでやった仕事なのに、「仕事を取られた!嫌がらせだ!」とあらぬ方向に話が向かってしまうケースも。
「郷に入っては郷に従え」という言葉通り、ある程度は周りに合わせないと働けないということもあります。
しかし、稀にですが接客態度の悪い、明らかにやる気のない人に出会うことも。
「ここはフランス。私は他のフランス人のように働くんだ」という強い意志すら感じられそうな強気な態度。
さすがにこのようなあからさまな態度をとられてしまうとカルチャーショックを受けずにはいられません。
勝手に期待値を上げているのも事実
でも少し冷静になって考えてみると、それって私をはじめ日本を知っている人々が勝手に「日本人だから」とその期待値を上げて、勝手に「どう行動すべきか」判断して、勝手に「批判をしたり違和感を覚えたり」しているんですよね。
その人がフランス生活に適応して、他の同僚と同じように働くことって決して悪ではないはず。
日本スタンダードで働こうとすると、時に同僚からうざがられたり指摘をされることだってあります。それはあなたの仕事ではない、余計な仕事を増やすな、他の人の仕事を取るな…
そういう環境で働いていたら当然、働きぶりも同僚に合わせる形になりますよね。
そこまで考えずに「あの人日本人なのにこの対応…」とがっかりしてしまうのも考えものかもしれません。
私は出来るだけ日本と同じ対応をしたい、でも他の人には求めないよう気を付けたい
遅刻の件は絶賛意識改善中…周囲のみなさますみません。仕事では遅刻は基本ないので、意識の問題だということも自覚しています。
この年になっても自分に甘えている部分があること、お恥ずかし限りです。
現地で働いた経験から考えると、やはり仕事の仕方や内容に関しては同調圧力のようなものを感じることがありました。
受付で働いていた時は、くれぐれも余計なことはしないように、という雰囲気も。そのため当時は、人の仕事を奪わないことと、でも自然に丁寧に接することに気を付けていました。
しかし職種によっては完璧さ、迅速さ、そして丁寧さと笑顔を求められることももちろんあります。
市役所の受付と高級スパの受付では接客態度が異なるように、その職場で求められることも違ってきますからね。
決してフランス人全員が接客態度が悪い、とか仕事をしたがらないというわけでもありません。
つい十把一絡げに語ってしまいがちですが、どんな環境で働くのかに大きく影響されると思います。
どこまで周りに合わせて、最低限ここまでは自分はやる、など自分なりの基準をちゃんと持っているかということが大切なのかもしれません。
またフランス生活が長くなるにつれ、日本で暮らしていた時の感覚は徐々に失われていきます。
気付かぬうちに「普通」の基準が変わってしまい、日本人から見ると不躾な態度だという印象を与える可能性もあります。
定期的に自分の行動を見直すことは続けていきたい、ほかの人からの指摘にはしっかり耳を傾けていきたいと思います。
だからと言って、フランスに住む日本人全員が日本スタンダードを持ち込んでその通りに働くべきだと言いたいわけではありません。
どうしても日本人だからとハードルが上がってしまう傾向にありますが、それは個人の自由。
よっぽど接客態度が悪いなどのことがない限りは「個人の選択の一つ」として捉え、自分の考えを押し付けないよう気を付けたいです。
みなさん自身、またみなさんの周りの在仏日本人の方々はどうですか?
私自身あまり見本になれない、むしろ嘆かれる側の日本人かと思います。
フランス生活が長くなれば長くなるほど、日本スタンダードってどんなんだっけ?私の態度って結構失礼なんじゃない?とふと思うことがあります。
定期的に自身の行動や言動を振り返り、見直す機会を作ることが必要な時期に来ているのでしょう。
このブログを読んでいるあなたも、お気づきの点があったら是非教えてくださいね。