フランスでも少しずつその地位を確立しつつある折り紙。
折れと言われれば簡単なものなら作れるけれども、アート作品としての折り紙は全く別物です。
そんな折り紙の作品展が隣街で開催されるという情報を目にし、少し緊張しながらも足を運んできました。
折り紙作品展のイメージと現実の違い
「折り紙の作品展」と聞いてどんなイメージを持つでしょうか。
一般的な折り鶴や兜、動物などを思い浮かべる人は少なくないと思います。
私もそんなイメージで、日本文化の紹介を兼ねた展示なのだろう、と気楽な感じで車を走らせ1時間。
まさか折り紙にこれほど圧倒されることになるとは、想像すらしていませんでした。
入り口には足元までくる長いのれんがお出迎え。のれんのおかげで展示が何となく見えるような見えないような状態になるため、訪れた人の期待感を高めてくれます。
無限の可能性を持つ折り紙の世界
さて早速展示されていた作品の一部をご紹介します。
作品はすべて一枚の紙で、カットすることなく作られているということも念頭に置いて鑑賞してください。
かっぱ!かっぱや!!パートナー一番のお気に入りです。
説明不要ですね。カンガルー。
こちらはザリガニ。
ひと目でわかる恐竜の数々。
クレールモン・フェランに行ったことのある人ならわかる!中心街にあるヴェルサンジェトリックスの像のミニチュアです。
写真の右下にあるように、どのように折り目がつけられているのかがわかる用紙も用意されていました。
線の多さからも複雑さが読み取れます。
展示の際はこのように、実際に使われた紙の大きさ、折り目を付けた状態と完成品が合わせて展示されています。
折り紙にあまり馴染みのない方もどのようなものから作品が作り出されるのか、具体的にイメージしやすいですね。
子どもから大人までが夢中に
フランス人のみならず、折り紙に馴染みのある日本人にとっても楽しめる今回の作品展示。
紙一枚を使って表現される複雑な形状にはみなさん驚き、感動など様々な感情を抱いていた様子です。
これを一枚の紙で切らずに作るなんてありえない!と訴えるお子さんも見かけました。完成品を見ると確かに驚きですよね。
この日はアトリエも行われていて、作者自らが折り紙の作り方を指導する場面も見ることが出来ました。
小さいお子さんから大人まで夢中になって紙と向き合う姿は、フランスに居ながら日本の風景を垣間見たような印象を受けました。
作者は日本人の合谷哲哉さん
オーベルニュ地方最大の都市、クレールモン・フェランにお住いの合谷哲哉さん。
折り紙作家として活動しており、日本折り紙学会のメンバーでもある合谷さんは2002年よりフランス在住とのこと。
そしてなんとプロのアコーディオン奏者でもあるそうです!多才な方はいらっしゃるものですねー。
奥様がクレールモン・フェランにあるオーヴェルニュ日本協会というアソシエーションの代表を務めており、お二人とも日本文化を広める活動を積極的に行っているようです。
このアソシエーションや折り紙展示の活動などは地方メディアにも取り上げられており、私もニュースで折り紙展示の存在を知りました。
地方ではなかなか日本人と交流を持てる機会が少なく、また日本文化関連イベントはパリに比べるとまだまだ少ないのが現状。
そんな中で展示を通して日本人の活躍を間近に見れたこと、また実際にお会いしお話しできたことがとても嬉しかったです。
今後の活躍にも期待
私がうかがったのはVichyヴィシーという街。こちらでは2月3日まで作品展を楽しむことが出来ます。
お近くの方はぜひ、開催中に足を運んでみてはいかがでしょうか。
またこれからも展示をしていきたいというお話をされていましたので、陰ながら活動を(勝手に)応援していきます。