初めての育児、ましてや異国で、となると悩みは尽きません。
そんな中での離乳食スタートはなかなかのハードルの高さでした。
今回はこれからフランスで離乳食をスタートさせる方向けに、進め方や時期、食材について解説していきます。
スタートは生後4か月から
フランス語で離乳食導入のことをLa diversification alimentaireラ・ディヴェルシフィカシヨン・アリモンテールと言います。
情報を収集したい時にはこの単語を仏語検索するとたくさんの情報が入ってきます。もしくは単にAlimentation du bébéアリモンタシヨン・デュ・ベベ、赤ちゃんの食事、とも。
今回はSécurité Socialセキュリテ・ソシアル、通称Sécuセキュと呼ばれる社会保障のサイトを参考にします。
離乳食導入の時期については以下のように明記されています:
・生後4か月以前の離乳食開始はアレルギーの観点から勧められない
・アレルギーリスクのある赤ちゃんの場合、離乳食導入を生後6か月以上に遅らせることは勧められない。ミルクや母乳だけでは赤ちゃんの成長に必要な栄養素を十分に与えることができないため。
つまり、生後4か月以降、6か月頃までに離乳食を導入すればよい、ということになりますね。
私自身も、4か月健診の際にかかりつけ医から「離乳食導入してください」との指導を受けました。
私自身は何となく早すぎると感じましたが、調べたり準備をしたりで、結局は生後4か月半から離乳食を導入しています。
基本食材はミルクや母乳であることを忘れずに
離乳食を開始したからと言ってすぐにミルクや母乳をやめるわけではありません。
離乳食開始後もミルクや母乳は赤ちゃんのメインの食事であることを忘れずに。
少なくとも1日500ml以上を与え、離乳食の進み具合を見ながら少しずつ減らすようにと書かれています。
離乳食開始時期に1日500mlはとても少なく感じますね。私は母乳とミルクの混合でしたが、確実にもっとあげていました。
赤ちゃんの様子を見ながら判断するのがよいかもしれません。
どんな食材から導入するのか?
日本だったらまずは10倍がゆから…ですが、こちらは消化に良い野菜からスタート。野菜導入から約2週間後にフルーツを食べさせるという流れです。
大概フルーツの方が甘く赤ちゃんが好みやすいため、先にフルーツをあげてしまうと野菜を食べなくなってしまうんだとか。
赤ちゃんの消化に良い野菜や果物として挙げられているものは以下の通りです。
野菜
- いんげん
- ほうれん草
- ズッキーニ(皮と種を取り除く)
- ねぎの白い部分
- 人参
- かぼちゃ
- ブロッコリー など
フルーツ
- りんご
- なし
- アプリコット
- バナナ
- ブルーベリー
- 桃
- マンゴー
- プルーン など
野菜もフルーツも良く加熱し(蒸すのがおすすめ)ピューレ状にしたものからスタート。塩分・糖分は加えません。
一部のフルーツは生のまま与えてもOKと書いてあるものもありますが、私は何となく不安だったのですべて加熱処理していました。
離乳食調理マシーンをプレゼントしてもらったため、1歳位までは毎日活躍していました。
ここから徐々に導入する食材を増やしていくわけですが、日本同様、一度に与える初めての食材は一つずつ。
アレルギーの可能性を考えて、新たな食材を導入したら2日~3日間は他の新たな食材を与えないよう指導されました。
初日にアレルギーが出なくても2日目、3日目に出る可能性もあるため様子見をする期間を十分に確保するためだそう。
息子は乳児湿疹が出ており、食物アレルギーリスクも高いだろうと言われていたため新食材の導入は毎回神経をすり減らしていました。
いつもの湿疹も出始めるとバーッと一気に広がっていくので食物アレルギーとの見分けも付きにくいのではと不安でした。
1歳4か月の現在、幸いにもまだ食物アレルギーはないようで少しホッとしています。
因みに、フランスでは赤ちゃん用シリアルというものが存在し、これを最初に導入する方も少なくないようです。
これはミルクに混ぜるタイプのもので、腹持ちが良く夜泣きが多い赤ちゃんにも良いとされています。また食欲があまりない赤ちゃんの栄養源にもなるとのこと。
月齢の低い赤ちゃん向けのものはグルテンフリー。
4か月からのものが多いですが、Secuのサイトでは6か月以下の赤ちゃんにはあまり勧められないと書いてあります。
(但し食欲の少ない赤ちゃんには4~6か月からグルテンフリーのものを与えても良いそう)
6~8か月用のものだとイチゴ味やバナナなど種類もぐんと増え、グルテンも含まれているものがメインに。野菜スープに混ぜられるものもあるそうです。
我が家は使ったことがないので効果や味、赤ちゃんの反応等わかりませんが、手軽で使い勝手がよさそうだな、という印象です。
まずは昼食からスタート
導入開始はお昼ご飯からスタート、と記載されている本やサイトが多いですね。
私も最初こそ10倍がゆからスタートさせましたが、そのあとは次々とフランスで指導されている通り野菜を導入しました。
最初は本当に少しの量なのであっという間に終わりますが、月齢が低いと食べている間に頭が前に倒れてきたりしっかりと座っていられなかったりと難易度も高いです。
その後離乳食開始から2週間が経過したころに、おやつの時間にフルーツを導入。
パスタやパンなどの炭水化物、肉や魚などのたんぱく質はいつから?
ジャガイモは6か月から導入が可能。他の野菜と混ぜて与えるのが一般的のようです。
9か月からはパスタやパンなどグルテンを含む炭水化物も与え始めます。クスクスもこの頃に導入する人がほとんどの様子。
基本的にグルテン入りシリアルは7か月から、パンは8か月からが良いだろうとのことです。
グルテンを含む食品は少量から徐々に導入するようにと言及されています。
肉や魚は6~8か月から与えることが出来るそうで、肉の場合は脂肪分の少ないハムからスタートさせるのが一般的。
卵は固ゆでのものを食べさせますが、日本のように黄身から与える…というような表記はありません。
最初は肉や魚、卵は1日に1回、10gもしくは卵1/4を目安に与えるのがよいそう。これ以上は与えないようにと明記されています。
調理油は?
6か月以前は調理油は使用しないのがベター。
その後は調理油はオリーブオイルや菜種油など植物由来のものを優先し、揚げ物はNG。
バターはフライパンで加熱するなどの調理に使用しなければ少しなら与えても良いそうです。というのも加熱調理にバターを使用するのは健康に良くないとされているため。調理済みの温かい料理の上にのせて、その熱で溶かすのはアリです。
(「生バター」と呼ばれる生乳から作られたものの赤ちゃんの非加熱摂取はリステリア菌やサルモネラ菌などのリスクがあるため避けましょう)
フランス母子手帳にある一覧表がわかりやすい!
ここまで文章で見てきましたが、一覧表のようなものがあったらわかりやすいのに…とずっと思っていました。
そんなわかりやすい一覧表、なんと母子手帳の中にありました!今まで全然気付かずに損した気分です…。
出典:<a href="https://solidarites-sante.gouv.fr/IMG/pdf/carnet_de_sante-num-.pdf" target="_blank" rel="noopener noreferrer">https://solidarites-sante.gouv.fr/IMG/pdf/carnet_de_sante-num-.pdf</a>
まとめ
フランスでの離乳食についてみてきましたが、いかがでしたか?
必ずしもこの通りに進めなければならないわけではないですし、食べ物に対する子どもの反応に一喜一憂しがちな時期です。
量や時期にこだわりすぎず、その子に合ったペースと食材で少しずつ離乳食を進めていけたら良いのかな、と思います。
これから離乳食を進めていく方はぜひ参考にしてくださいね。