日本とはココが違う!フランスの母親像・父親像

日本とはココが違う!フランスの母親像・父親像

ネットやSNS上で度々話題になる母親像、父親像。

自分の両親が基準になっている方、一般論から「こういうものだ」という基準のある方、様々でしょう。

もちろんフランスにだってそんな母親像、父親像と言うものが存在します。

ここでは、私の持つ日本の母親像、父親像とフランスのそれについて比較しながら紹介したいと思います。

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日本とフランスの母親像

日本では「三歳神話」と言われるように、幼いうちは母親が常にそばにいて子育てするべき、と言う考えがいまだに根強いですね。

その後も可能であればお母さんは専業主婦で家のことをやり、手作りのおやつやご飯にこだわり、勉強なども一緒にやる…

小さい時は完全母乳が当たり前。

これが「理想像」なのでしょう。

近年は働く女性への注目も集まり、産後直ぐ仕事復帰する女性も増えている印象です。

しかしまだまだ「理想像」を母親に押し付ける人が多い気がします。

 

かたやフランスではどうかというと、子どもがいる女性が働くのは当然の権利として位置づけられている印象です。

私の知人友人では、産後3か月~半年ほどで復職する人がほとんど。

第一子の産休は産後10週間と法律で決められており、某友人はその直後に有休を使って13週間休んでから復帰していました。

そんなに早く復帰して、子どもはどうするの?断乳は?と思う日本人も多いでしょう。

母乳をあげるかあげないかは母親もしくは夫婦が決めるもの。

多くの母親は早く復帰することを前提としているので、母乳をあげる場合でも3か月から半年ほどで断乳をする人が多いようです。

そのため半年以上授乳していると「すごいね!」と驚かれること多々。

もちろん長期授乳をしている人もいますが、飽くまで少数派でしょう。

また日本でも多々話題になる子どもの預け先問題。

フランスでは子どもをベビーシッターに預ける、保育園に預ける、祖父母に預けるといったケースがよくあります。

保育園は日本同様入りにくい所もある、祖父母も現役で働いている等でベビーシッターを利用している人が多い印象です。

手作りの離乳食にこだわる人もいますが、ベビーフードを利用している人も少なくありません。

産後お母さんが働くのは普通のこと。

そのために保育園やベビーシッター、ベビーフードを利用することはなんら悪いことでも何もないのです。

 

逆に、日本のように子どもの世話を見るために仕事を辞める、専業主婦になる場合は好奇の目にさらされることも。

「子どものそばにいられるのが一番よね」と言ってくれる人がいる反面「キャリアは諦めちゃうの?」「次はどんな仕事にしたいの?」「いつ頃から仕事再開するつもり?」など近々仕事を再開する前提で話を進められることも頻繁にあります。

ちなみにフランスでは基本的に専業主婦は無職とみなされます。

では父親像は?

専業主夫と言う概念は日本と同じくらいの位置づけでしょうか。

とても珍しいです。

しかし子育てをする父親は日本よりも多いでしょう。

出産のための休暇が3日認められており、子どもが誕生した日から4か月以内に最大11日の父親休暇が取得可能。

この期間を活用して母親と一緒に試行錯誤しながら赤ちゃんの世話を学んでいきます。

さらには基本的に週35時間労働で、時間をきっちり守って働いている人が一定数いることも影響していると考えられます。

また日本では仕事の付き合い等を優先する傾向にあるのに対し、フランスでは家庭を優先する傾向に。

オムツ替えやミルクはもちろん、寝かしつけ、夜泣き対応などもやってのけるお父さん、結構普通です。

家事などは母親中心と言うイメージがやはり強いのですが、手続き関連や日曜大工などは主にお父さんが担当でしょうか。

(フランス人は日曜大工しょっちゅうやってます)

平日の保育園やベビーシッターへの送迎は交代で行ったり、帰宅後どちらかがご飯の準備をしている間にもう一方が子どもの世話を見る…

収入も父親の方が高いケースが多いようですが、収入に差があるから家事育児には参加しない、という論調にはなりません。

二人の子どもですから、父親も普通に子どもの世話をします。

休日は家族で公園に行ったり、母親外出時には父親が子どもと一緒に過ごしたり。

日本ほど「父親の育児参加」が問題にはならない印象ですが、やはり子どもの世話は母親がメイン。

ちなみに、「海外ではイクメンが普通だから」という話題が出ることもありますが、「イクメンという単語は存在しない」という話題にすり替えられることがあるようです。

イクメンはフランス語でPapa pouleパパ・プル、めんどり父さんとでも言いましょうか(笑)子どもの世話をよく見る父親、溺愛する父親のことを指します。

 

これに対し日本ではオムツを替える、一緒にお風呂に入る、ミルクをあげる…それだけでも褒められますよね。

子どもと二人だけで外出もしくは留守番しようものなら「すごいですね」の声。

確かに仕事で忙しすぎて物理的に無理な父親が多いことも原因の一つでしょう。

この点は日本の労働環境も大きく影響を与えているのではないでしょうか。

仕事で忙しすぎる父親の中には、もっと子どもとの時間を大切にしたい人だって多いはずです。

平日は深夜まで残業、休日は取引先との接待や持ち帰った業務、休日出勤がデフォルト…

家族との時間を取れる仕事に転職したら良い、なんて思う人もいるかもしれませんが、それが出来たら苦労しないと感じている父親も多いでしょう。

個人レベルではなく、国単位で労働環境を整えていく必要があるのではないかな、と切に思います。

 

しかし中には「仕事で疲れているから」「慣れてないから」「子どもは母親の方が好きなんだよ」という理由で育児は母親に丸投げと言うケースも少なくないようですね。

また昔ながらの亭主関白なお父さんを目指す人は

家のことは一切せず、子育ても我関せず、子どもは父親の背中を見て育つもんだ!

という考えを通すのでしょう。

そこまでは言わないにしても、理由を見つけては子育てをしない父親も。

外で働いて家にお金を入れればそれだけでいい、と考えている人の存在も一定数いるようですね。

子育て観については夫婦で話し合いを

子育てをしない父親が悪い、と言いたいわけではないのです。

もちろん、夫婦そろって育児をするに越したことはないとは思いますが…(これは私の理想論ですね。)

どうしても母親ばかりが負担を背負う結果になっているケースが多いように感じています。

私自身が母親なので、そういった記事に目が行きやすいというのもあると思います。

なかには「子どもには働く父親の姿をしっかりと見せたい」「家庭のことは母親だけでやっていきたい」と考えている女性も少数ながらいることでしょう。

問題は夫婦間で意見が噛み合わずどちらか一方が負担を強いられる環境になってしまうこと。

仕事が忙しくて家庭のことが出来ないならば妥協案を提案する、有料サービスを利用する…

パートナーが子育てで悩みを持っていたり助けを必要としているのなら一緒に考えて出来ることをやっていく…

理想通りとはいかなくても、家族で話し合って意見をすり合わせる、考えの違いを理解するだけでも違ってくると思います。

「子どもの世話は母親が全部やって当然」と思っている夫と「今どきの父親は子育てだってするのが当然」と思っている妻とではどうしてもひずみが出来てしまうもの。

また、お互いに同じ方向を向いて子育てをしていたつもりでも、時間が経つにつれ意見が食い違うことも出てくるでしょう。

子どもの成長とともに状況もどんどん変わっていきます。働き方だって変わる可能性があります。

そのために定期的に話し合える時間を持つことが大切なのではないでしょうか。

 

子育ては想像以上に大変です(当社比)。

私自身が身をもって感じたように、「こんなはずじゃなかった」と落ち込む人もいることでしょう。

でもそんな時は自分自身が理想にとらわれすぎていないか考えてみてください。

意外と周囲の声や一般論に影響されている自分がいることに気づかされることもあるかもしれません。

まずは周りの目を気にすることよりも、いま自分たちの出来るベストな方法を見つけていくことに目を向けてみてはいかがでしょうか。

 

参考:https://travail-emploi.gouv.fr/actualites/l-actualite-du-ministere/article/5-questions-reponses-sur-le-conge-parental

https://www.service-public.fr/particuliers/vosdroits/F2265

https://www.ameli.fr/allier/assure/droits-demarches/famille/maternite-paternite-adoption/conge-paternite-accueil-enfant

https://www.ameli.fr/allier/assure/droits-demarches/famille/maternite-paternite-adoption/conge-paternite-accueil-enfant