皆さんも良くご存知の旧正月。
1月も半ばを過ぎるとスーパーなどではアジア食品などもセールになるため、私たち日本人にとっても恩恵を受けられるイベントの一つですね。
このタイミングで教育機関などでもアジアをテーマにイベントを企画することも多いらしく、息子の保育園でももれなくアジアデーを開催。
そこで「何かちょっとしたことやってもらえないかしら?」と無茶ぶりされたお話です。
(無茶ぶりというほどではないです、盛りましたすみません。)
告知は1週間前!
いつも通りに朝、息子を保育園に届ける…
特に報告事項もなく保育士さんと他愛のない会話をし、立ち去ろうとしたその時です。
「あの、来週アジアデーというのをやるんですけど、ちょっとした出し物をしてもらえませんか?」
もちろんものすんごくびっくりしましたし、そんな気軽に頼むもの!?てか来週!?と驚愕。
軽くテンパる私にその詳細を教えてくれました。
日本っぽいことをやる、の依頼内容詳細
・午前中、10時前くらいから20分ほど
・日本っぽいもの、歌でもいいし読み聞かせでもいいしなんでもいい、簡単なもの
息子が通う保育園は2つのクラスに分かれていて、対象は息子が通う18か月以上のクラス。
とはいえ小さな子どもたち、しかも外国語で何かやってと言われたところで…とも思いましたが、即答で「じゃあ歌やります、歌」と回答しました。
日本っぽいことで子どもが飽きないもの、そのうえ説明不要なもの?
まだ言葉をあまり話さない子もいるので、すんなり耳に入ってくるものがいいだろう、という判断でした。
依頼が直前ということもあり、期待値もそれほど高くないだろうというのも引き受けた理由の一つです。
そこで思い立ったのが「手遊び歌」。
繰り返しフレーズの多い、日本に馴染みの手遊び歌をすることにしました。
頭を悩ませた手遊び歌の選曲
手遊び歌と言ってもたーっくさんありますよね。
それに外国語の曲ですから、やはり繰り返しのフレーズが多く耳に馴染みやすいものがいいかな、と考えました。
また、動物や擬音があればもしかしたら想像できるかも?とも。
さらには、フランス人にも馴染みのある歌の日本語版も1曲くらい入れよう!と思いつき、以下の3曲を選択しました。
「トントンひげじいさん」
ひたすらトントントントン言っているので、最初の段階で何人かはトントントントン繰り返していて作戦通り。
天狗に関しては詳しく触れても仕方がないのでサラッと簡潔に話して何度も歌ってみる方向に持っていきました。
意味がわからなくても顎やほほ、鼻、目の周りと手を当てる部分が徐々に移動していく動作が意外と楽しいようでした。
「こぶたぬきつねこ」
動物だし、鳴き声というか擬音も入っているし、子どもには受け入れやすいはず!と思って採用。
またしてもたぬきというフランスには存在しない動物の登場ですが、ここも簡潔に済ませました。
ただ、実際に歌っている時にきつねの鳴き声でハッとしてしまった私。
日本語ではコンコン、単なるきつねの鳴き声の模倣ですが、フランス語でconは非常に汚い言葉で子どもには教えてはいけないものなのです。
でもcon単体ではなくconconと連続するため、そこまで気にしなくても良い&日本語のコンコンとフランス語のconconでは発音も違うので大丈夫だろう、とのこと。
何気なく使い分けている日本語とフランス語ですが、似た発音の単語などは要注意だな、と思わされた瞬間です。
「グーチョキパーでなに作ろう」
フランスにはFrère Jacquesフレール・ジャックという修道士についての歌が童謡として親しまれています。
このメロディーが「グーチョキパーでなに作ろう」と同じ!なのです。
耳慣れたメロディーなら外国語の歌詞でも馴染みやすいだろうというのが私の考えで、案の定フレール・ジャックを歌いながら手の動きだけ真似している子も数名。
使用アイテムはこの2つ
CDデッキなどもありますよ、と言われたものの、私がCDを持ち合わせていない。
そこで使ったアイテムは以下の2つ。
・スマホ
・Bluetooth対応スピーカー
曲はYoutubeであらかじめ目星をつけておき、スマホで再生→スピーカーから出音。
持ち物も準備も少なくて済み、Bluetooth対応のスピーカーがあってよかった!と心から思いました。
おまけで折り紙もプレゼント!
当日朝になって、なんとなく「え、本当にこれだけでいいのかな?」と不安になった私。
その罪悪感を少しでも減らす目的もあり、動物何種類かと紙風船を数個、それに「こぶたぬきつねこ」に使える折り紙を作成し持参することに。
折り紙一枚でこぶた、たぬき、きつね、ねこの4役をこなす優れもののこの折り紙は、歌いながら見せてみると反応も上々。
どちらかというと保育士さん受けが良かったですが、紙風船は子どもたちにも人気で一安心。
そこまでしなくても良かったのかなーとも思いましたが、当日の保育士さんや子供たちの気合いの入りようを見ると、もっと頑張っても良かったかなーという印象です。
(髪の長い方はお団子+かんざしor箸、着物っぽい服、漢字の書いてある服、etc)
ちなみに、当日の保育園はこんな感じに飾りつけされていました。
慣らし保育を経験していない私。
日中の息子の様子をチラ見できただけでもとても良い経験でしたし、日本の手遊び歌を興味津々に聞いてもらえて嬉しかったです。
フランス人の子ども目線に立って、楽しめそうなものを探すという作業も初めてで苦戦しましたが、こういった視点を持つことの重要性も改めて感じました。
息子が大きくなるにつれ、私や息子が「日本とフランスの架け橋」としての役割を担う機会が大なり小なり増えていくことでしょう。
そういったことに関しても改めて考えるきっかけとなり、今回声掛けをしてくれた保育士さんたちには感謝の気持ちでいっぱいです。