専業主婦、と聞いたらどんなイメージでしょうか?
私自身もともとは専業主婦になる予定など全くなく、「自分とは関係のない世界の話」だと思っていました。
ところがどっこい、今は自ら専業主婦を選択するという経験をし、持っていたイメージと全く違った生活を送っています。
それに伴い、ある種の「呪い」のようなものが付きまとうようになりました。
え、もっと自由に時間管理して楽しく生活する予定だったのに…!!!
専業主婦のイメージ像
お気楽?自由時間たっぷり?身なりにあまり気を遣わない?義家族と同居だったら大変そう…
それが私の専業主婦のイメージ像でした。
このイメージは私の祖母から来ていると思います。
実家が農家で、確かに田んぼ仕事畑仕事などで外にいる時間も長かったのですが冬は家にこもって自由に過ごすイメージ。
そのうえ外で働く母が家のこと全般をやっていて、出勤前・帰宅後には農作業もこなすスーパーウーマンぶり。
だから「働く母が全部出来るのだから専業主婦ならもっと余裕持てるだろうに」と思ったものです。
ちなみに以前以下の記事でも触れていますが、フランスでは専業主婦=失業者です。
実際専業主婦になってみて
フルタイムで働いていた仕事を辞めることを決意しいざ主婦に…
体調が悪かったこともありますが、落ち着いて感じたこと、それは
想像以上に忙しい!
自分のための時間…なにそれ?
もっと余裕のある、好きなことやって家事もこなして子育てもして…というイメージだったのですが大違い。
実際になって見ると細々とした「やらなきゃいけないこと」「やっておいた方がいいこと」「これが出来たら完璧」なことが山積みです。
一時期仕事が無く専業主婦だった時期もあったのですが、その時にはちっとも感じることのなかった感覚だったので正直驚きました。
「就活中で仕方なく専業主婦、ゆくゆくは働くつもり」と言う精神状態と、「これからしばらくは専業主婦として生きていく」という精神状態ではこんなにも違うものか!私の頭がおかしいのか!?と悩んだ時期もあったほど。
それからしばらくして子育てをする日々になり、忙しさは加速する一方です。
ではなぜこんなにもイメージとかけ離れてしまったのでしょうか?
専業主婦への呪い
ここは敢えて「呪い」という表現を使わせてください。
専業主婦とは、「家事育児のプロ」という認識を持っている人って多いと思うのです。
家は常に綺麗に掃除されている、洗濯やアイロンがけも完璧、料理は三食バランスよく、たまに手芸、でも子どもの世話最優先で最新の教育アイテムや教育論にも敏感…
これ全てをこなそうとすると結構大変です。
今まで仕事でたまにしかしていなかった細かい場所の掃除、食材選びからこだわり調理法のバリエーションも増やす、おやつだって手作り…となると、生活が激変しました。
頭の中で「家のことは完璧にこなさなくちゃ!これが私の仕事」と幾度となく繰り返し、家事のハードルは徐々に上がっていくように。
そのうえ自分自身は収入がないので「外で働いていない」「養ってもらっている」という状態。
キャリアを積む友人たちの話を聞いては「私も仕事を続けていたら…」「子育てと仕事の両立って素敵だな…」など羨ましく感じてしまうのです。
専業主婦には専業主婦なりの大変さがあるのに「外で働いている人よりは絶対楽なはず」と呪いのように繰り返しているのは私だけではないはず。
それに自分で稼いでいるお金ではないので、お金を使うのがものすごく後ろめたく、自分のものを買う機会も激減。
確かに、人によっては専業主婦めっちゃいい!最高の職業!と感じることもあるでしょう。
でも専業主婦のみんながみんな、そう感じるわけではないのです。適材適所と言う言葉があるように、主婦に向かない人、働きながら家事育児をした方が良いという人も一定数いるのです。
今こそ呪いを解きましょう
解きましょう、なんて言うは易し行うは難し。
私自身、まだまだ「主婦なのに家のこと全然できない、料理下手くそ、手芸なんてやる暇も技術もなし、日々の家事と育児で精いっぱい」な日々で自己嫌悪の連続です。
このままでは生産性もなく、日々上がり続けるハードルに嘆きながらストレスをためてしまう…。きっと発想を転換する時期に来ているのだと思います。
こだわりすぎず、完璧さを求めすぎず…
本当に大切なこと(私の場合は育児)だけはしっかりと納得のいくまで追求し、他の事項は適度に力を抜いていく柔軟さを持ちたい。
全てが中途半端になってしまうよりは、一つでもちゃんと出来た!と達成感を感じられるものがある方が精神的にも安定することでしょう。
このちょっとした安定があるとないとでは、日常の育児へのモチベーションも大きく変わりますから。
また専業主婦だからと言って引け目を感じる必要もないのです。家族で出した結論なのですから。それが例え「自ら選んだ道」だったとしても「余儀なくされたもの」だったとしても。
働きながら家事育児をしている人だって同様です。
どうしても他の「自分よりも出来ている人」や「一般的な専業(兼業)主婦像」、「自分の理想」と比べてしまいがちですが、それをしたところで何の利益にもならないこと、むしろストレスやプレッシャーになってしまったらマイナスに働くケースがあることを頭の片隅にでも置いておくと良いかもしれません。
この記事を読んでいる人の中にも、誇りをもって専業主婦業を全うしている人もたくさんいらっしゃるでしょう。
働きながら家事や育児もこなしているという方も少なくないでしょう。
本当に、頭が下がる思いです。
私自身、まだこの先どのようになるのか予測不可能です。近い将来働きたい気持ちと、専業主婦を続けたい気持ちの狭間で揺れ動いています。
ですがいま出来ることの最大限のことを効率良く進めるためにも、当分は気合いをいれすぎず、力を抜きすぎず、そしてあまり考えすぎずに自分らしい専業主婦業を全うしていきます。