どこかで聞いたことがある気がする…
なんとなくその響きに既出感を感じる人も少なくないVichyヴィシーという名の市。
オーベルニュ地方アリエ県にあり、市全体を世界遺産へ登録しようという試みが行われています。
今日はそのヴィシーがどんな街なのかをご紹介します。
かつてはフランスの首都だった!?
第二次世界大戦中、1940年から4年間フランスの首都はアリエ県にあるヴィシーという街に政権が置かれます。
独仏休戦協定に調印したのちにヴィシーへと遷都し、1945年の8月にヴィシー政権の無効宣言が行われるまで臨時政府としての役割を果たしていました。
この街が選ばれた理由は実にシンプルで、比較的パリに近かったこと、温泉地のためホテルなどが充実しており官庁や官舎を置くのに適していたことの二つが影響しているとのこと。
ヴィシー政府やヴィシー政権、ヴィシーフランスと呼ばれることもありますね。
温泉地として知られるヴィシー
オーベルニュ地方ではクレールモンフェラン、モンリュソン、オーリヤックの次に人口の多い市で、アリエ県では人口第二位の街ヴィシー。
フランスの首都だったということだけではなく、実は温泉地Ville thermaleヴィル・テルマルとしても有名ですね。
温泉地といっても日本のイメージする温泉地とは少し異なり、体調不良を改善するための湯治客がたくさん訪れるイメージです。
また温泉地には豪華ホテルやスパリゾートなどが充実しているため、ダイエットやエステのために訪れる人もたくさんいます。
Vichyの有名なものと言えば?
ミネラルウォーター
ヴィシーセレスタンVichy Célestinsと呼ばれるミネラルウォーター。
重炭酸塩や二酸化炭素を含む水は肝臓や胃腸への健康効果があるとされています。
天然微炭酸で、従来の炭酸水は強すぎて苦手、という人にも人気です。
化粧品Vichy
ヴィシーの温泉水を使った化粧品。
アヴェンヌやラ・ロッシュ・ポゼほどではありませんが、それなりに知名度のあるブランドです。
モイスチャークリームなどが人気のようですね。
パスティーユ
Pastille de Vichyパスティーユ・ド・ヴィシーと呼ばれる、ラムネを硬くしたような飴のようなお菓子。
青のギンガムチェックが可愛いこのお菓子は、観光客にも人気のアイテム。
口の中がスーッとする感覚が癖になります!
Vichy柄
日本語ではギンガムチェックと呼んだりしますが、フランス語ではヴィシーと呼ばれます。
この柄のドレスが広まったことで知名度を上げましたが、何よりブリジット・バルドーがヴィシー柄のワンピースを着て雑誌ELLEエルの表紙を飾ったことで流行に火をつけたようです。
ユネスコ世界遺産を目指す
そんなヴィシーは現在、ユネスコの世界遺産登録を目指しています。
ヴィシーを含む16のヨーロッパの温泉地が登録のために力を合わせて動き、現在ヴィシーを含む11の市が審査継続中(フランス国内ではヴィシーのみ)となっています。
テレビニュースにも取り上げられるなど注目度の高さも伝わりますね。
動画はフランス語ですが建造物の美しさなどが垣間見れますのでお時間がある方はどうぞ。
歴史や文化、歴史的建造物など訪れる人を魅了するヴィシー。
世界遺産に登録されるかどうかは2019年中にわかるとのことです。
こちらはヴィシー市のプロモーションビデオ。
同じ県に住むものとして、近隣の街がユネスコ登録のチャンスがあるというのは大変喜ばしいこと。
私自身ヴィシーへは数回しか行ったことがなく詳しくないのですが、次回訪れる際にはしっかりと観光して魅力を伝えていけたらなと思っています。
参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%82%B7%E3%83%BC
https://www.ville-vichy.fr/unesco
Vichy, candidate au classement du Patrimoine mondial de l’Unesco