既に以下の2記事でご紹介した職業訓練のお話です。
フランスで職業訓練を受けるために~応募から面接の呼び出しまで~
選考通過の連絡を受けてから約10日ほどで職業訓練がスタートしましたので、合否連絡から最初の2日間の流れと感想の覚書です。
メールで来るはずの合否連絡が電話で来た理由
合否連絡は面接の呼び出し同様、メールで来る予定でした。
面接日が月曜日、火曜日にも面接が行われていたため、結果は水曜日になるだろうと告げられ、夕方になっても連絡がなく少し諦めかけていた頃。
何故か知らない番号から着信があり、固定電話からだったので「もしかして…」と出てみると案の定、選考の件での連絡でした。
しかもただの合否通知ではありませんでした。簡単に言うと
・基本的には選考通過
・ただし、報酬は出ない(報酬は失業保険受給者のみ)
・職業訓練の費用は無料なので、報酬が出なくても受けたいかを今知りたい
とのこと。
選考の際には報酬は毎月いくらもらえる、という所まで細かく提示されていたので、この連絡には少し驚きました(話が二転三転するのはフランスあるあるですね)。
職業訓練の内容自体には興味があるので、無報酬でも受けたい旨を告げ、詳細のメールを待つこととなりました。
もちろん、この「報酬出る話が結局出ないということになった」件は腑に落ちませんでした。
報酬が出なくても応募していた案件ですが、ちょっと期待をしてしまったため当然の如くちょっとガッカリしてしまいました。
不確かな情報なら与えてくれない方が良かったのに…
そして夜22時過ぎ、合格のメールが届きます。フランスなのにこの時間まで仕事をしていらしたとは!
内容は選考通過した旨と、開始日時、初日に持っていく書類。
職業訓練に参加するかどうかをメールで返信せよとのことだったので、参加の旨を明記し返信、さらっと書類準備を終えて当日を待ちました。
因みに応募者は28人、合格者18人でした。
職業訓練初週
私は開始時刻10分前に到着。
半数以上は既に到着しており、私の後にもパラパラと数人登場、最後の人は開始5分前に現れました。
流石に初日からの遅刻者はおらず勝手に一安心。
この職業訓練は、職業安定所だけではなく他の機関も補助金を出しているもので、この訓練の企画者でもある機関の方からの説明からスタート(主に手続き関連)。
その後指導官から初週の訓練の流れについての説明があり、それに関する質疑応答が終わった後から本格的に始まりました。
初週は、そのほとんどがグループワーク&プレゼン。
他己紹介(ペアを作り、その相手の紹介を行うもの)、スキルツリー作成、用語の要約…
役割分担、話し合い、内容をまとめて発表する、の繰り返しでした。
最初は探り合いだった18人の受講者たちも、グループワークをこなすことでお互いを知り始め、週の最後には冗談を言い合ったり「この作業はこの人が得意なんじゃない?」とお互いどの分野に強いのか、など多少わかり始めてきています。
5つのP
職業訓練の冒頭に指導官からあった「5つのPを守りましょう」の言葉。
Permission(許可)
Protection(防護)
Participation(参加)
Ponctualité(時間厳守)
Plaisir(喜び)
簡単に言うと、相手を尊重し自分を尊重し、時間を守って訓練(やグループワーク)に積極的に参加しましょう、といった内容でした。
マーケティングなどで使われる5つのPとはまた違いますね。(恐らく職業訓練の後半に出てくるのでは、と予想しています)
これと似たような「3つのP」を仕事で教わった、という方もいましたので、日本で言うホウレンソウ(報告、連絡、相談)のようなものと捉えても良いのかなと思います。
正直、時間厳守などは当たり前だと思うのですが、それが出来ない人が意外と多いのがフランス。
また職業訓練なので実際に働くことを想定した授業です。
時間厳守に緩い会社も多いですが、厳しい企業ももちろんあるので時間厳守の習慣を付けさせたいのでしょう。
(自社への到着が遅くなることはあっても会議等の遅刻にはものすごく厳しい所もあるようです。)
率直な感想
・思っていた職業訓練の内容と違った
応募前にもらった職業訓練の「目指す職業」欄を参考にしていたのですが、正直そこに書かれていた一部にしか該当しない内容です。
私はてっきり「目指す職業」に就けるような専門知識や技術を幅広く学ぶものだと思っていたので少し拍子抜け。
自分の中で「これを学んであれを学んで…」と思っていたことの一部しか取り上げられないことがわかったため、独学でスキル習得が必要かな、と思います。
・一度に色んな人が話す
実はこれに関しても指導官から「一人が話している時は他の人は最後まで聞いてから発言する」という説明がありました。
ですが、実際にはあっという間にその法則も崩れ、他の人の話にかぶせて話していくスタンスが確立。
これはフランスでは良くあることなので、まぁ仕方ないのかな、と。
かぶせず話が進んでいくことも多いですが、議論が進んで行ったり他の人とは違う意見がある時には白熱してあっちこっちで色んな話をしていてカオス…という展開になることもあります。
また求められている回答を理解せず発言するケースも。
自分の知っていることを話そうとする、質問の一部のみを理解して最終的に求められているものとは違った回答をするといったこともあります。
これは私も気を付けなければと思うところですが、質問の趣旨が理解できないと指導官と話が噛み合わない、進まない…。
ですが指導教官もなれている様子で、きちんと理解できるまで説明したり、さりげなく方向性を正したりしていました。
・ちょっと不安
受講者は皆良い人たちばかりだし、雰囲気も良い。
ですが、フランス人たちに囲まれて授業を受けるのは実は初めて。
(学生時代はフランス語を学ぶ人たちと一緒だったので仕事・プライベート以外での初の授業体験です)
あっちこっちに話が流れる展開や、日本とは違った雰囲気に慣れていけるかどうか…ちょっとだけ不安です。
続きはまた来週
来週頭には、職業訓練についてブログに書いていいか訓練生たちに聞いてみるつもりです(指導官からはOKが出ました)。
許可が出たら、面白かった講義の内容などについても触れていきたいと思います。
更新頻度はめっきり減ると思いますが、また気長にお付き合いください。